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MRCPとは?
MRCP(Magnetic Resonance Cholangiopancreatography)は、磁気共鳴画像(MRI)を用いて胆管と膵管の状態を詳しく調べる非侵襲的な検査法です。造影剤を使用せずに、胆嚢や膵臓を鮮明に捉えることができるため、特に胆石や膵炎、腫瘍の診断に有用です。
MRCPのメリット
1. 非侵襲的な検査
MRCPは体に負担をかけずに行える検査です。内視鏡を使わず、MRIの強力な磁場とラジオ波を用いるため、侵襲性がありません。
2. 詳細な画像情報
高解像度の画像を提供できるため、胆管や膵管の異常を詳細に確認できます。これにより、早期の病変発見や正確な診断が可能となります。
3. 造影剤不要
MRCPでは通常のMRIと同様に、造影剤を使用しないため、造影剤に対するアレルギー反応のリスクがありません。
4. 多目的な診断能力
MRCPは胆石、胆管炎、膵炎、膵臓腫瘍などの多様な疾患の診断に役立ちます。他の検査法と比較して、合併症のリスクが低い点が魅力です。
受診時の注意点
1. 検査前の食事制限
MRCPを受ける際には、検査前の6時間は絶食が必要です。これは、胃や腸に食べ物があると、胆管や膵管が鮮明に映らない可能性があるためです。
2. 金属類の持ち込み禁止
MRIは強力な磁場を使用するため、体内や衣服に金属があると危険です。アクセサリー、時計、ベルト、衣類に付いている金属部分、歯科用金属などはすべて外してください。また、心臓ペースメーカーや金属製インプラントが体内にある場合やアートメークやtattooを施行している場合は、事前に医師に知らせることが重要です。
3. 検査時間の確保
MRCPの検査時間は約20分程度です。検査中は静止している必要がありますが、リラックスして検査を受けられるように心掛けてください。
4. 妊娠中の方への配慮
妊娠中の方は、MRI検査が胎児に影響を及ぼす可能性があるため、検査の可否について必ず担当医と相談してください。
まとめ
MRCPは、安全で非侵襲的な検査法として、多くの病気の早期発見と正確な診断に役立ちます。受診者の皆様には、検査前の準備や注意点を守っていただくことで、スムーズな検査が行えます。健康診断の一環として、適切な時期にMRCPを受けることで、健康維持に努めましょう。
放射線診断部 部長 医師 関口 隆三