私たちは日本で一番、患者さんに
優しいクリニックを目指します。
従来から日本人に多いとされている胃癌ですが、早期癌のうちに発見できれば内視鏡だけで治療できる時代になりました。近年、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)と呼ば れる最新の内視鏡治療が開発され、多くの方が手術を受けずに治療することができるようになりました。また、内視 鏡治療ができないケースでも小さな傷でできる腹腔鏡手術 が徐々に普及してきております。昨年当院では計7例の胃癌を発見しておりますが、そのうちの2例は内視鏡治療、2例は腹腔鏡手術、残り3例は開腹手術が行われました。
日本人の胃癌の多くは、ピロリ菌感染によるものであることが明らかになってきました。逆に言うとピロリ菌に感染したことのない人は、まず胃癌にはならないとも言われています。ピロリ菌を治療することが、胃癌予防になるため、当院では積極的にピロリ菌の検査および治療を行っております。
近年日本では大腸癌が増えており、現在、日本人女性の 癌死因の1位になっています。大腸癌も胃癌と同様に早期のうちであれば内視鏡治療で完治します。また腹腔鏡手術は胃癌以上に普及してきています。昨年、当院では計20例の大腸癌を発見しておりますが、そのうち9例(45%) は内視鏡治療、残り11例(55%)は腹腔鏡手術が行われ、開腹手術はありませんでした。大腸内視鏡検査は、胃内視鏡以上に受診者からは敬遠される傾向にあります。しかし、現行の便潜血検査による検 診では早期癌の5割程度、進行癌の8割程度しか検出できないとも報告されています。当院では40歳以上の方になるべく一度は大腸内視鏡検査をお受けいただくようにおすすめしています。
最新の報告では、一生のうちに日本女性の15人に1人が乳癌にかかると言われています。しかし、女性にとって乳癌は最もかかりやすい癌ですが、早期発見できれば最も治りやすい癌でもあります。早期発見により多くのケースで乳房を温存する手術が可能です。昨年当院で計33例の乳癌を発見していますが、術式が確認できた29例のうち16 例(55%)に乳房温存手術が行われました。
乳癌の早期発見のために、当院ではマンモグラフィと超音波検査を積極的に行っておりますが、これらの画像検査で良性か悪性か診断がつきにくいケース(カテゴリー 3症例)が数多く存在します。当院ではこれらのケースに対しても正確に診断できるよう国立がん研究センター中央病院乳腺外科と連携を取り、乳癌学会専門医にも外来を担当していただいております。