メディカルトピックス
男性更年期外来とは?

原因不明の体調不良、気になりませんか?
「なんだか最近疲れが取れない」
「昔に比べて意欲がわかない」
もしかするとその症状は男性ホルモン(テストステロン)の低下による男性更年期障害かもしれません。女性の閉経とは異なり、男性の更年期年齢は30歳頃より起こるといわれており、加齢に伴いジワジワとした変化が起きるのが特徴です。特に40代から60代では、昇進、異動、転職、子供の巣立ちなどさまざまな環境変化が起きることが多く、ストレス負荷がかかりやすくなり発症しやすくなります。男性には、女性の閉経のような兆候がないので、性欲減退や勃起不全だけが注目されがちですが、男性更年期には疲労感、うつ状態、多汗、のぼせをはじめさまざまな症状を起こすことが分かってきています。

男性ホルモン(テストステロン)ってなに?
男性ホルモンとして知られているテストステロンには主に以下の3つの作用があります。
①性機能を正常に保つ作用
②筋肉や骨を強くする作用
③認知機能(理解力や判断力)を高める作用
そのため男性更年期となりこのテストステロンが低下をすると、体だけではなく心にも様々な影響を及ぼします。さらに最近では糖尿病、高血圧、動脈硬化、認知症、排尿状態にも悪影響を及ぼすことが判明し、早期に診断し、積極的な治療の必要性があります。

男性更年期外来でできる検査
この男性更年期という新しい分野に対して、フェニックスでは今年度より新しく男性更年期外来を開設しました。 当院の男性更年期外来ではまず問診、テストステロン測定検査(初回のみ毛髪検査)などを行います。採血においては血中テストステロン300ng/mL以下(遊離テストステロン8.5以下)の場合は男性更年期と診断されす。男性更年期は症状が大事であり、治療開始には必ずしも上記を満たす必要がありませんが、症状によっては早めの予防や治療が必要です。また当クリニックでは髪の毛を10本ほど切らせていただき、毛髪検査も行うことでより詳しく男性更年期についてチェックすることが出来ます。また人間ドックではオプションとして毛髪検査を行うことも可能です。

男性更年期の治療方法
男性更年期症状の治療は、原則的に男性ホルモン補充療法を行うことで70~80%は改善します。フェニックスでは原則、塗り薬としてテストステロンを直接補充します。また男性ホルモン補充以外にも漢方療法やサプリメント、栄養指導なども取り入れながら治療をしていきます。男性更年期を疑う症状がある方、また家族で気になる方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。

産婦人科医長 医師 賀来 哲明

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