メディカルトピックス
「­­甲状腺」をご存知ですか?

甲状腺は、首の前方部分、のどぼとけのすぐ下のあたりにあります。大きさは、縦4cm程度で、重さは約18gです。蝶が羽を広げたような形で、気管に付着し、固定されています。ふつうは小さくて軟らかいので、触ってもわかりませんが、少し腫れてくると触ることができるようになります。

その甲状腺から分泌されるホルモンが、甲状腺ホルモンです。甲状腺ホルモンは、発達、分化や代謝など、身体を適切な状態に保つために色々な臓器に働きかけている重要なホルモンです。このホルモンのバランスが壊れると、多彩な症状が出てきます。
何らかの原因により、甲状腺ホルモンが過剰になり甲状腺機能亢進症になったり、ホルモン不足により低下症なったりすることもありますが、それに気づかず放置されると昏睡から死に至る事もあります。軽症のものでも不妊症や子供の場合は発達障害を生じたり、心房細動や動脈硬化症、骨粗しょう症や認知症などの様々な病気の原因となることもあります。

頻度の高い症状は、甲状腺機能亢進症では、甲状腺腫大、頻脈、多汗、暑がり、手の震え、動悸、体重減少、便回数増加や下痢、眼球突出、神経質やイライラ、月経異常などです。
甲状腺機能低下症では、甲状腺腫大、遅脈、寒がり、便秘、体重増加、むくみ、関節痛、痴呆、無気力、傾眠、眼瞼浮腫、月経異常などです。

甲状腺機能亢進症では、体重減少や動悸などの自覚症状の人が多く、悪性疾患や心疾患と間違われること もあります。甲状腺機能低下症では、皮膚の乾燥、寒さ、 下肢の筋力低下、立ちくらみ、膝や手指の関節痛を自 覚したり、動作が緩慢となり、物忘れが多くなるので、特に中高年の女性の健忘症例では一度甲状腺機能低下症を疑って検査する事が必要とも言われています。また、甲状腺異常の場合、一般検査で、総コレステロール、GOT、GPT、LDH、CPK、ALP、Ca、Pなどが血液検査で異常値を示したり、食後高血糖、心電図異常として、頻脈、心房細動、低電位など、胸部X線検査にて心拡大を指摘されたりする事もあります。

甲状腺疾患は、10人に1人いるとも言われており、比較的頻度の高い疾患ですが、見逃されたり間違って治療を受けたりしている事もあります。
また、これらの甲状腺の病気のうち、バセドウ病、橋本病、ある種の甲状腺腫瘍は、ある程度遺伝との関係があると言われています。家系内に甲状腺疾患の方がいる場合は、発病する事が多いため、6ヶ月か1年に1回程度は、検査をお受けになる事をお勧めします。
当院では、甲状腺ホルモンの血液検査や甲状腺のエコー検査も行っており、甲状腺ホルモンのバランスを調べたり、エコー検査で甲状腺に腫瘍などがないかどうかなども調べます。また、必要であれば内服治療も行う事ができます。
甲状腺について気になる症状や検査結果がある場合は、まずは血液検査を行う事をお勧めします。
甲状腺に関するご質問などございましたら、遠慮なくご相談下さい。

内科部長 山内 三爵子
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