メディカルトピックス
膵臓がんリスクのある方へ 〜新しい膵臓がん検診、MRCPをご存知でしょうか?〜

初期症状が出にくく発見が難しい “膵臓がん”
膵臓がんは初期症状が出にくいため、発見時には病気が進んでいることが多く、治療しにくいがんの一つです。検診では腹部超音波(エコー)検査で観察します。しかしながら膵臓は背中側にあり、膵臓の前にある胃のガスの影響を受けやすいこと、また肥満や体形によってうまく見られないことがあり「膵臓描出不良」という所見名がつくことがあります。慢性膵炎や糖尿病にかかっている、膵臓がんに罹患した親族がいるなど膵臓がんリスクがある方にとって超音波検査でうまく観察できない時は不安が残ります。

注目の新しい膵臓がん検診MRCP
近年、超音波検査に加えて新しい膵臓がん検診としてMRCPが注目されています。MRCPとはMRIを使って胆管や膵管の状態を詳しく調べる検査です。MRCPは磁気を使って撮影するので体への負担がほとんどなく、また造影剤注射を行わずに安全に検査ができます。MRCPは膵管の異常や膵のう胞性病変(のう胞とは液体が入った袋のようなもの)を見つけるのに優れています。

半年から1年ごとの経過観察をお勧めします
昨年当院で計675例のMRCP検査を行ったところ、実にその半数に膵のう胞性病変が見つかりました。膵のう胞性病変の中でも特にIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)が見つかることが多く、IPMNの中でも
①主膵管にできているもの
②のう胞が3cmを超えるもの
③のう胞内に壁在結節があるもの


黄色枠:膵臓 ピンクの矢印:膵のう胞

これらは発がんする可能性があり手術治療が行われます。またIPMNを持っている方は通常型膵がん(膵がんの90%以上を占め、膵管細胞から発生します)を合併する可能性があることも話題になっています。したがってIPMNを指摘された方は半年~1年ごとにMRCPで慎重に経過観察をすることをお勧めしています。  当院では2023年1月より明治通りを挟んで向かい側にMRIスペースを新設し、本館と合わせて2台のMRIを設置しております。また常勤の放射線科医、消化器科医のもと万全の診断体制で病気の早期発見に取り組んでおります。膵臓に不安のある方はぜひこの機会にMRCP検査をお受けになってみてはいかがでしょうか。

消化器病センター長 医師 賀来 宗宏

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