健康診断や人間ドックを受けっぱなしにしていませんか?
健診は「終わり」ではなく、「始まり」 です

診断後、結果を基に生活習慣の改善や病気の早期発見・予防につなげるためのアフターフォローが重要です。

検査結果の見方

How to read test results

検査結果が基準値を超えている、または下回っているからといって、直ちに何らかの病気であるとは決して言い切れません。
しかし、定期的な経過の観察や、再検査・治療が必要な場合もありますので、検査結果をよくお読みください。

A:異常なし

今回の検査では異常を認めません

B:支障なし

軽度の異常所見を認めますが、疾病とは考えられません。

C:生活注意

病気と考えられる異常ですが、治療が必要か否かは、経過観察しなければ診断できないものです。
日常生活の注意が必要です。

D:経過観察

異常所見を認めますが、病気か否かを診断するには経過観察が必要なものです。

E:要精密検査

今回の検査で異常が認められますが、病気か否かは精密検査をしなければ判断できないものです。

F:要治療

治療が必要な疾患を認めます。当該医療機関の受診をお勧めします。

G:治療継続

治療を継続してください

各検査項目の説明

※下図は画面に収まらない場合、
左右にスライドしてご覧いただけます。

検診項目 基準値 検査でわかること
身体計測など 問診
身長
体重 急激な増減は要注意です
肥満度 -9.9〜9.9 肥満度の求め方=(実測体重一標準体重)÷標準体重×100
BMI 18.5〜24.9 BMIの求め方=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
腹囲
男性
85cm未満
内臓脂肪の蓄積が分かります。
女性
90cm未満
視力 0.2以上 裸眼視力や矯正視力をチェックします
聴力 日常生活に支障がないかどうか、聴覚の程度をチェックします。
代謝系 血圧 最高血圧(収縮期) 100〜139mmHg 心臓が収縮または拡張したときに血管壁にあたる血流の圧力を表しています。
最低血圧(拡張期) 60〜89mmHg
胸部レントゲン 十分に息を吸った状態で撮影し、肺の状態や心臓の大きさなどを調べます。
心電図 心臓の状態をチェックします。不整脈·心肥大・狭心症などの心臓病や動脈硬化症などがわかります。
血液検査・尿検査 血液学的検査 白血球数 3500〜9700/μl 白血球は、体内に侵入してきた細菌・ウイルスなどの外敵を排除する働きがあります。高値は感染症の疑い、非常に高い値・低い値は血液の病気の疑いがあります。
赤血球数
男性
401〜650万/μl
赤血球は、活動に必要な酸素の運搬や二酸化炭素の排出をする役割を担っています。高値は多血症、低値は貧血の疑いがあります。
女性
351〜600万/μl
ヘモグロビン
血色素量(Hb)
男性
12.1〜20.0g/dl
赤血球の主要な構成成分で酸素を運ぶ働きをしています。これが低下している状態を貧血といいます。
女性
11.0〜17.0g/dl
ヘマトクリット(Ht)
男性
38.1〜55.0%
血液全体に占める赤血球の割合。低値では貧血、高値では脱水や多血症が疑われます。
女性
32.1〜50.0%
肝機能検査 AST(GOT) 10〜40 IU/l 肝細胞の障害を見る検査です。GOT/GPTは主に肝細胞に含まれる酵素で(GOTは筋肉など、他の組織にも分布しますが、GPTは比較的肝臓に集中して存在します)、肝細胞が変性したり、破壊されると血液中に増加してきます。
ALP(GPT) 5〜45 IU/l
γ-GTP
男性
16〜73 IU/l
肝障害やアルコールや薬物などによる組織の酵素量が増える(酵素誘導)ことによって高値になります。
女性
8〜32 IU/l
腎機能検査 クレアチニン(CREA)
男性
0.65〜1.09mg/dl
クレアチニンは腎臓より尿中に排泄されます。このため、クレアチニンの血中濃度は腎臓がどれだけ老廃物をフィルタリングしているかを評価するのに役立ちます。
女性
0.46〜0.82mg/dl
eGFR(推算GFRcreat) 60.0ml/分/1.73㎡以上 血清クレアチニンに基づく推算糸球体濾過量で、年齢、性別により算出され、eGFR低下は腎機能低下を意味します。
血中脂質検査 中性脂肪
食後10.0時間以上
50〜149mg/dl 体内の脂質で最も多く、余分なエネルギーは中性脂肪として蓄えられています。血中の中性脂肪が多いと、動脈硬化の危険性が高まります。食事や飲酒の影響を強く受けます。測定をした時間が食後10時間以上であれば中性脂肪、食後3.5時間以上〜10時間未満であれば随時中性脂肪としています。
随時中性脂肪※2024年度追加
食後3.5時間以上〜10.0時間未満
50〜174mg/dl
総コレステロール 150〜219mg/dl 甲状腺機能低下症やネフローゼ症候群などで高値になることがあります。低値の場合は、肝硬変、栄養吸収障害などが疑われます。
HDLコレステロール
男性
40〜80mg/dl
血液中の過剰なコレステロールを肝臓に戻す働きがあるため、「善玉」コレステロールと呼ばれています。少ないと動脈硬化の危険性が高まります。
女性
40〜90mg/dl
LDLコレステロール 70〜139mg/dl 「悪玉」コレステロールと呼ばれています。多いと動脈硬化の危険性が高まります。
non-HDLコレステロール 90〜149mg/dl 動脈硬化の指標となる数値です。中性脂肪の値が400mg/dlを超える場合に用います。
(総コレステロール) – (HDLコレステロール) = (non-HDLコレステロール)
※中性脂肪400mg/dl以上又は食後10時間未満で採血検査を実施した場合、LDLコレステロール値ではなくnon-HDLコレステロール値を用いて判定しております。
糖代謝 空腹時血糖
食後10.0時間以上
70〜109mg/dl 血液中のブドウ糖の濃度。高値の場合、糖尿病が疑われ、口渇・多飲・多尿などの症状が出現することがあります。低値の場合、インスリン産生腫瘍や肝障害の可能性があります。測定をした時間が食後10時間以上であれば空腹時血糖、食後3.5時間以上〜10時間未満であれば随時血糖としています。
随時血糖※2018年度追加
食後3.5時間以上〜10.0時間未満
70〜140mg/dl
ヘモグロビンA1c 4.6〜6.2% 過去1-2ヶ月間の血糖の平均的な状態を反映しています。
尿糖 (ー) 尿中の糖の有無。血糖値が高いときに増えることがあります。
尿検査 尿蛋白 (ー)、(±) 尿の中に漏れ出している蛋白のことです。疑われる病気として腎臓病などがあります。
尿潜血 (ー) 尿の中に赤血球が混じっている状態をいいます。赤血球が大量に出ると肉眼でも分かるほど尿が赤くなりますがこうなると血尿と呼びます。疑われる病気として腎臓病などがあります。

2024.04

  • ※注1. 中性脂肪400mg/dl以上又は食後10時間未満で採血検査を実施した場合、LDLコレステロール値ではなくnon-HDLコレステロール値を用いて判定しております。
  • ※注2. 2024年4月より中性脂肪は食後10時間未満で採血検査を実施した場合、随時中性脂肪となります。
  • ※注3. 2023年4月より中性脂肪及びCRP(定量)の判定基準が変更になりました。
  • ※注4. 2022年3月よりアルブミンの検査方法がBCP改良法となり判定基準が変更になりました。2022年2月28日以前(BCG法)の基準値は 37〜55g/dlです。
  • ※注5. 2022年3月よりA/G比の検査方法がBluret·BCP改良法となり判定基準が変更になりました。2022年2月28日以前(Bluret·BCG法)の基準値は13~2.0です。

再検査の通知が届いたら

After receiving notification of re-inspection

健診で「要再検査」と通知されたまま、そのまま放置していませんか?それは体からの重要なサインです。
当院では再検査が必要な方には「再検査通知」を送付しています。大切なお知らせですので、どうか見落とさずにご確認ください。

1年間の当院実績各症例数
(2024年1月~12月)

がん症例総数

221

婦人科子宮がん検診異常症例総数

613

頭部MRI 症例総数

1,857

腹部MRI (MRCP) 症例総数

1,105

これらの症例の多くは、
再検査・精密検査・
オプション検査

によって見つかったものです。

詳しい症例数はこちら

当院での再検査・精密検査受診のための取り組み

一般的に再検査の受診率は全国的に4割程度と言われています。
「忙しくて…」「少し様子を見よう」「自覚症状がないから大丈夫」とついつい後回しにしていませんか?「あの時、再検査を受けておけばよかった」と後悔して欲しくないという思いから、当院の「再検査通知」には、検査の予約枠を確保し期日を記載したものを送付しています。

当日は本館2F 外来受付または、受診票をお持ちの方は受診票に記載されているフロアへお越しください。

再検査は重大な病気ではない事の確認です

再検査や精密検査の受診勧奨の目的は病気の早期発見・早期治療はもちろんのことですが、「重大な病気ではない事の確認」です。
ご自身の健康について考える良い機会です。不安や心配もあると思いますので、気軽にご受診いただく環境づくりを整え、健康でも病気が見つかっても共存していけるような豊かな生活を一緒に考えていきたいと思っています。

健康改善サポート

Health Improvement Support

特定保健指導を実施しています

メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)に着目した特定健診の結果をもとに、これらのリスクがある方を対象として特定保健指導を実施しています。

当院の医師・管理栄養士が一丸となって食事や運動などお一人おひとりに合った生活習慣の見直しを行い、生活習慣病のリスク改善、健康維持・増進に向けた健康改善のサポートをさせていただきます。

特定健康指導について詳しく