認知症早期検査、VSRADをご存知ですか?

〜気になる脳の状態を、“見える化”で確認〜

VSRADはどんな検査?

VSRAD(ブイエスラド)は、アルツハイマー型認知症の早期発見を支援する画像解析システムです。正式名称は「Voxel-Based Specific Regional Analysis System forAtrophyDetection」といい、脳のMRI画像をコンピューターで詳しく分析することで、認知症の兆候を客観的に評価します。 日本は超高齢化社会を迎え、認知症患者数が急激に増加しています。2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されており、早期発見・早期対応が社会全体の重要な課題となっています。

アルツハイマー型認知症の特徴

アルツハイマー型認知症では、脳の「海馬」「海馬傍回」「扁桃体」といった記憶に関わる重要な部分が早い段階から萎縮し始めます。これらの領域は非常に小さく、通常のMRI検査では微細な変化を見つけることが困難でした。VSRADは、このような初期の脳萎縮を客観的に数値化することで、医師の診断を支援します。

気をつけたいサイン

こんな症状があったら受診を検討してください。

ご本人が感じる変化

☑️最近、物忘れが増えたと感じる

☑️「あれ」「それ」という言葉が増え、具体的な言葉がすぐ出てこない

☑️会話中に何を話していたか忘れることがある

☑️日付や曜日を間違えることが増えた

☑️家族に認知症の方がいて、自分も心配になっている

家族が気づく変化

☑️同じ話を何度も繰り返す

☑️以前より興味・関心が薄れてきた

☑️電気やガスの消し忘れが増えている

☑️性格や感情の変化(怒りっぽくなる、無表情になるなど)が目立つ

これらの症状があっても、すぐに認知症と判断されるわけではありません。年齢による自然な変化やストレス、他の病気が原因の場合もあります。しかし、早期発見のためには、こうした「気づき」が重要な第一歩となります。

検査の対象と流れ

VSRADは50歳以上の方が対象となる検査です。通常の脳MRI検査に約5分程度の追加撮影を行うだけで、痛みは全くありません。検査時間は全体で30分程度です。検査後、専用のコンピューターソフトウェアが脳の画像を詳しく分析し、健康な同年代の方の脳と比較して萎縮の程度を数値で表示します。この客観的なデータが、医師の診断を支援します。

確定診断ではなく“診断支援”

VSRADは診断支援システムであり、この検査だけで認知症の確定診断はできません。検査結果は、他の神経心理検査(記憶力テストなど)や日常生活での症状、血液検査などと合わせて、医師が総合的に判断します。また、VSRADで異常が見つからなくても、他のタイプの認知症の可能性もあるため、気になる症状が続く場合は継続的な観察が必要です。  気になる症状がある方、特に50歳以上で上記のような変化を感じている方は、まずは外来にご相談ください。早めの対応が、より良い将来への第一歩となります。

放射線診断部 部長 医師 関口 隆三