メディカルトピックス
脳MRI検査の有効性

〜自覚症状の無い、脳卒中予備軍に〜

日本人の死因の4位を占めている脳血管疾患
脳MRI検査は脳内に生じている変化(脳腫瘍や脳動脈瘤、脳梗塞や脳出血など)の発見に威力を発揮する検査です。症状が出る前の段階で、脳内の微細な変化を捉えることができ、脳の健康状態を知ることができる検査です。  日本人の死因の4位を占めている脳血管疾患は、40歳を過ぎると発症のリスクが高まり、高齢になればなるほどそのリスクが高まることが知られています。脳血管疾患には、脳の血管が詰まって生じる脳梗塞や、脳の血管が破れて生じる脳内出血やクモ膜下出血などがあります。脳卒中とは脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血の3つの病態を併せた呼び名です。

 

 

脳内の血管を立体的に 表示することができるMRI
脳MRI検査は自覚症状の無い段階で、こうした脳卒中の予備軍である無症候性脳梗塞や大脳白質病変(慢性虚血性変化)、微細脳出血などを見つけることができます。また脳内の血管を立体的に表示することにより(MRAと呼ばれています)、数ミリのクモ膜下出血の原因となる未破裂動脈瘤(脳動脈にできたこぶ)や、脳虚血や脳梗塞の原因となる脳血管の不整など、脳血管の状態を詳しく知ることができます。

 

 

早めのリスクチェックが大切
脳血管疾患は発症すると、たとえ一命を取り留めたとしても身体麻痺や言語障害などの後遺症が残ることがあるので、早めのリスクチェックが大切です。2019年の政府統計では介護を要する原因として、脳血管疾患は2位に位置しています。  脳MRI検査の検査自体は20分程度です。40歳を過ぎたら、また高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を指摘されている方は、一度脳MRI検査で脳の健康状態をチェックされてはいかがでしょうか?

放射線診断部 部長 医師 関口 隆三

 

 

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