メディカルトピックス
他人事ではない、糖尿病。自分の健康は自分で守る!

糖尿病予備群の男女割合は、男性16.3%、女性9.3%

 平成28年の国民健康・栄養調査によると、糖尿病と糖尿病予備群はそれぞれ約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されており、糖尿病予備軍の割合は男性16.3%、女性9.3%といわれています。

 

 

 空腹時(食後12時間以上経過後)の血糖値が126mg/dl 以上であれば、糖尿病または糖尿病予備軍です。126mg/dl未満であっても、徐々に数値が高くなっている場合は要注意です。また、数値は問題なくても体重が増加傾向にある場合は、血糖値を下げるために自分の膵臓が頑張ってインスリンというホルモンを出し過ぎることで、同時に刺激される脂肪がどんどん大きくなっていると考えられます(糖尿病の人が太っているというイメージがあるのは、そのためではないかと思います)。その状況が続くとインスリンが効きにくい体質(インスリン抵抗性)になり、そのうち血糖値が上昇しても下げきれず糖尿病へ近づいて行きます。しかし、そうなったとしても、早期であれば食事・運動療法つまり食事の量・内容・食べる順番・時間などに気を付け、できるだけ歩くように心がけたりスクワットをしたり運動習慣を身につけると再び体質が改善していきます。

適切な治療・療法で、ある程度改善する糖尿病

 糖尿病は完治する病気ではありませんが、適切な治療・食事・運動療法や必要に応じた薬物療法を行うことによって、ある程度改善する病気です。また、血糖値に加えて血圧・脂質(コレステロールや中性脂肪)などを適正に保つことが重要です。さまざまな糖尿病の合併症(網膜症・腎機能障害・神経障害・心筋梗塞・脳梗塞など)を起こすことなく健康な人と同じような生活を送るためです。「糖尿病でも健康な人と変わらない生活の質(QOL)を保ち、寿命を全うすること」それが糖尿病治療の目標です。

定期的な健診で状況の把握を

 血糖値はかなり高値が続かない限り自覚症状がありません。そのため、定期的に健診などで血液検査を受け自分の状況を把握し、日々の生活を送る事が大切です。自分の健康は自分で守る!そのために出来る事を行いましょう。

 補足ですが、最近は500円玉程度の血糖測定器を肩などに2週間貼り連続で血糖測定ができるようになりました。糖尿病でない方は保険の適応ではありませんが、ご希望の方は当院へご相談ください。

 

 

内科部長 山内 三爵子 

「フェニックスニュース vol.39」より

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